敦盛塚とは?
一の谷の戦いで源氏方の熊谷直実にわずか16歳で討たれた平敦盛を供養するために建てられたという五輪塔塚です。敦盛といえば、青葉の笛です。いい話です。
北条貞時が平家一門を供養するために建立した「あつめ塚」と言われていたものが「あつもり塚」と呼ばれるようになったという説もあるとのこと。
しかし、このあたりで一ノ谷の戦いの死闘が繰り広げられ、まさにこのあたりで敦盛が熊谷直実に討ち取られ、須磨寺に敦盛の首を持っていって首実検をしたとのことですから、ここで敦盛の胴が埋められ、胴塚として祀られているという言い伝えもまんざらではないと思います。

#2023年1月探訪
敦盛塚の利用案内とアクセス
利用時間 24時間散策自由
入場料 無料
須磨浦公園の西端のすぐ隣にあります。須磨浦公園内にある「戦の濱」や山側にある「安徳帝内裏跡」や「逆落とし」と一緒に訪れてはどうでしょうか。
須磨浦公園の入口には、左の方に「史跡 敦盛塚」があるという看板があります。少し分かりにくいのですが、この看板で須磨浦公園内にはないということに気づかなければ、公園内を永遠にさまよわないといけません。



敦盛塚
須磨浦公園の西端に立体駐車場がありますが、そのすぐ隣に敦盛塚があります。
さらにその西側には「敦盛そば」がありますので、こちらの方が目印になりますね。
奥まで進むと「一の谷敦盛卿の墓」「史跡敦盛塚」の石柱が建てられており、その奥に五輪の塔が祀られています。
きれいに整備されています。献花も生き生きとしています。管理されている方が丁寧なことがよく分かります。五輪塔の周りは草が生えていません。周りの石垣も雑草などは見られず管理がほんとうに行き届いています。
近づくとその大きさに少し驚きます。4mほどの高さがあります。風格という荘厳さというか、圧迫感とは違いますが、なにかしらの雰囲気に圧倒されそうになります。言葉が見つかりませんが、威厳という言葉が適切なのかもしれません。
写真の右の奥に石垣の中に小さな石仏が見えます。なぜここに?
近づくとこんな感じです。石仏にも見えない感じす。湯呑が供えられています。何も書いていないので、どのような謂れがあるのか分かりません。
神戸市指定有形文化財
敦盛塚石造五輪塔
総高397cm
製作年代 室町時代末期~桃山時代
指定年月日 平成9年10月23日この五輪塔は花崗岩製の総高4m近い堂々たるもので、中世の五輪塔としては石清水八幡宮五輪塔(京都府八幡市)に次ぎ、全国で2位の規模を誇る。法量は総高397cm、2石から成る地輪は幅126cm、高さ98.5cm、水輪は最大径130.4cm、高さ99cmで下部がすぼまり、火輪は軒幅126.4c×119cm、高さ75.8cm(上面に径30cm、深さ20cmのほぞ穴)、風・空輪は一石彫成で、風輪73cm、高さ56cm、空輪の最大径69cm、高さ72.9cm。各輪四方にそれぞれ五輪塔四門の梵字を薬研彫りに配している。紀年銘はなく、梵字が大きいことや水輪や火輪の様式にやや古調がみられるが、風・空輪は明らかに近世塔の先駆的様式を示していることから、室町時代末期から桃山時代にかけての製作と思われる。
この付近は源平一の谷合戦場として知られ、寿永3年(1184)2月7日に、当時16歳の平敦盛が、熊谷次郎直実によって首を討たれ、それを供養するためにこの塔を建立したという伝承から、”敦盛塚”と呼ばれるようになった。このほか、鎌倉幕府の執権 北条貞時は平家一門の冥福を祈って、弘安年間(1278~1288)に造立したなどの諸説がある。
昭和60年(1985)4月に、神戸市教育委員会が周辺整備のため発掘調査を行ったところ、下半分が埋没した地輪の下に、四角に囲った板石とその中に2枚の石から成る基壇遺構があることが分かった。このため、基壇の上部を地表に現し、地輪部以上を完全に露出するように積み直した。
平成11年3月
神戸市教育委員会
「須磨」、「笛」というキーワードは分かりますが、なんて書いてんだろうか?
敦盛そばの山側に「敦盛花壇」という看板があります。
その奥には、源氏の白と平家の赤の旗印があります。運動会や歌合戦の紅白対抗は源平合戦が語源だとか。
残念ながら、中には入っていません。
敦盛そば
敦盛塚のすぐ隣りにある「敦盛そば」
いい商売というか、店に入らずにはいられない。そういう人も多いことでしょう。ということで、私も即決で入店しました。
名物「源平そば」や名物「敦盛そば」が定番のようです。
そばで勝負するところがなかなかいいです。
席に座ると熱いお茶とお手拭きのサービスがありました。今日は小寒いので熱いお茶がうまい。
注文は食券制です。
敦盛そばは850円。大盛りは1,000円です。特盛は1,050円です。
体重が気になるので、特盛は避け、大盛りにしました。
体重が気になるぐらいなら、普通盛りで十分なのに、中途半端です。今思えば、特盛にしておけばよかったなあ。
敦盛そば 大盛り1,000円です。
温かいそばを勝手に想像していたが、ぶっかけそばでした。
温泉卵、のり、天かす、ネギ、鰹節、大根おろし、わさびと様々な具がそばに載っています。これに、だしをぶっかけて食す。
うまい。
ものすごくお腹が減っているわけじゃなかったですが、そばは食欲をそそるというか、旨いからかな、あっさり完食です。
須磨名物「敦盛そば」のチラシです。
名物「敦盛そば」以外にも「神戸牛の肉そば」もウリのようです。ちょっと値が張りますが、そこまで高いわけじゃないですね。
しかし、敦盛塚に来たのであれば、「敦盛そば」を食べなければなりません。まんまとハマっている感じですけど・・・
敦盛鍋も気になります。あと、「敦盛」っていう名の日本酒もありました。どれもこれも気になる・・・
資料コーナー
店内には資料コーナーがあります。
興味深いものも多い。全部見るには時間がかかります。
源平戦況図と源平戦闘地図が販売されています。解像度を下げて載せています。なかなか興味深い地図です。2枚で300円です。安いので買ったほうがいいです。
最後に
悲劇の武将平敦盛の胴塚とも言われている敦盛塚ですが、きれいに整備されているところが特に印象に残りました。須磨寺の敦盛塚といい地元の方の熱意を感じます。敦盛ファンは外せません
敦盛そばはぜひとも食べましょう。
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